不眠症とは

眠ろうと思ってベッドに入ったけれど、なかなか寝付けない。そのような経験は多くの人がお持ちかと思います。眠れなかったとしても、それが一時的なことであり、翌日にはぐっすり眠れたのならば問題はありません。しかし、わが国では、非常に多くの方が何らかの睡眠障害を有しています。眠れない状況が慢性的に続いている、日中に眠気やだるさがおそってくる、集中力が低下して仕事や家事がはかどらない。そのような悪影響が生じている睡眠障害が「不眠症」です。
不眠症の原因
不眠症の原因には、環境要因や生理的要因、心理的要因、生活習慣的要因など、様々なものがあります。不眠症を訴える方が多くなっている背景には、ライフスタイルの多様化、24時間社会における生活リズムの乱れ、ストレス、人口の高齢化など様々な問題が関係しています。なお、不眠症はけっして珍しい病気ではありません。また、うつ病などほかの精神疾患の症状の一つとして不眠症が現れてくる場合もあります。
このようなときは当院をご受診ください
- ベッドに横になってもなかなか眠れない
- 夜中に起きてしまい、再入眠できない
- 朝早く目が覚めてしまう
- 熟睡できず、起きたときに疲れが残っている
- 日中も眠たくて仕方ない
- 居眠りを注意されたことがある
- 就寝中に脚がムズムズしてよく眠れない
- 頻繁にいびきをかいていると言われた
- 寝言が大きいと指摘されたことがある
不眠症のタイプ
不眠症には、入眠障害、中途覚醒、早朝覚醒、熟眠障害などのタイプがあります。このうち入眠障害は、ベッドに入ってもなかなか就寝できず、悶々とした気分が続きます。仕事などのストレスや心配事などのある患者様によくみられます。中途覚醒は、寝つき自体は悪くないのですが、夜中に目が覚めてしまい、その後は十分に眠れなくなるタイプです。全く寝られないわけではないのですが、熟睡感が不足するため、起床後も頭がすっきりしません。
早朝覚醒は、ベッドに入るとすぐに寝つけますし、ある程度の睡眠時間も確保できます。しかし、予定起床時間の2時間以上前に目が覚めてしまいます。その後は眠りにつくことが困難となります。最後の熟眠障害は、いわゆる「眠りが浅い」タイプです。睡眠時間は十分に確保できるのですが、深い眠りではないため、熟眠感が十分に得られないのです。このタイプは、高齢者や神経質な方に多いといわれています。
不眠症の治療
不眠症を治療する際には、不眠の原因となっている精神的な疾患や身体的疾患、生活リズムの乱れなどを改善することが重要です。具体的には、室温や部屋の明るさを調整して睡眠しやすい環境をつくる、音楽や読書などリラックスできる時間をもつ、食事は寝る4時間くらい前に済ませる。入浴は1~2時間前に済ませる、早起きして朝日を浴びる、などの対策を心がけてください。
こうした対策だけでは効果が得られないときは、お薬による治療を行います。使用する薬剤の種類は、不眠のタイプによって異なります。寝つきが悪い、夜中に起きてしまう、早朝に目が覚める、などの症例に応じて、患者様に相応しい睡眠薬を処方します。患者様によっては、抗うつ薬や抗不安薬、抗精神病薬などを追加します。